地域コミュニティアプリ「メルカリ アッテ」が2018年5月末をもってサービス終了するという発表がありました。アッテは地域で不用品を譲り合ったり、地域情報を交換するサービス。同様のアプリ「ジモティー」の後発として始まりましたが、何が起きたのでしょうか。
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「メルカリ アッテ」5月末でサービス終了
メルカリグループである「ソウゾウ」が提供してきた地域コミュニティアプリ「メルカリ アッテ」。同様のアプリである「ジモティー」が話題になってきたあたりで、同じようなアプリをリリースしてきた形にみえたことを記憶しています。
取材のために利用してみたことがあります。冷蔵庫が1,000円もしくは無料など、引っ越しシーズンには大型家電も格安で出品されています。利用する側としてはうれしいサービス、筆者は2,000円で全自動洗濯機を購入。しかし、出品をしてみたところ、反応はほとんどありませんでした。
3月16日にサービス終了のアナウンスがされ、このようなコメントを発表しています。
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メルカリグループとしての「強み」がなかった
メルカリは近年、他社と同様のアプリを続々とリリースしています。「メルカリ カウル」や「メルカリ メゾンズ」「メルカリ NOW」そして「メルカリ アッテ」もその一つです。筆者がアッテの取材を始めたのは、メルカリで新規登録キャンペーンをしていたからでした。
メルカリのユーザー数に対してキャンペーンはできるものの、「相乗効果」が感じられません。例えば、「メルカリ カウル」であれば本を売る際にアプリの宣伝が入るので、これでユーザーが動くでしょう。「ネット取引」であるメルカリと「リアル取引」であるアッテではユーザーが完全に分断されていました。
ユーザー数が少ないと、情報のやり取りという地域コミュニティも育ちません。ある一線を越えれば、好循環に入ったかもしれませんが、そこまでユーザー母数を増やせなかったものと思われます。
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個人取引アプリに求められる戦略
「メルカリ」は個人対個人が売買するアプリです。買うユーザーが多ければ必然的に売るユーザーも多くなる。その結果他の追随を許さないナンバー1の個人取引アプリとなりました。そのユーザー数を生かすべく、現在は「春のスマホ祭り」というキャンペーンを行っています。
これも「中古スマホ売買専用アプリ」が好調なことを受けた動きと思われます。そのアプリが絶対の位置を占める前に、「スマホと言えばメルカリ」という印象をつければ、メルカリが勝者となるでしょう。個人スマホ中古市場は急成長している分野です。
フォロー戦略、つまり他社が始めたサービスにフォローしていく戦略は、ユーザー規模をほこるメルカリにとって最良の戦略と言えるでしょう。しかし、この戦略は迅速な「選択と集中」が求められます。スピーディな経営ができるかどうか、それが今後の鍵となりそうです。
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