MobaGateでは12月11日の記事で、古いiPhone 6シリーズを使っていて「遅い」と感じるならバッテリーが原因の可能性があるとお伝えしました。この問題が本当はどうなのかAppleからは回答が得られていませんが、ベンチマークソフトの開発者が統計情報を公開しました。
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「シャットダウン問題」回避のプログラム
事の発端は、アメリカの掲示板Radditへのある投稿です。
自分のiPhone 6 Plusに「GeekBench」を入れてみた。Webサイトによると、iPhone 6 Plusの性能スコアは1471/2476を示すらしいけど、839/1377しか出ない。自分のiPhoneが遅いと感じていたけれど、確かに遅く重たくなっているようだ。
この投稿に関して議論が巻き起こり、今では1,000を超えるコメントがつけられています。
大方の予想は、iOS10.2.1(iOS11.2を含む)で、iPhoneのバッテリー電圧が充分に得られない場合、シャットダウンを避けるためにCPUの性能を制限するプログラムが含まれているというものです。
本当にこのような処理がなされているのか。GeekBench開発者のジョン・プール氏が統計情報を公開しました。横軸はGeekBenchで得られたベンチマークテストのスコア、縦軸がどれくらいの「密度」があるか、言い換えるとどれくらいの数のiPhoneがそのスコアを示しているかです。
まずiPhone 6sに「iOS10.2.0」がインストールされている場合のグラフです。みてわかるのは、2,500点付近に集中していて、他のスコアを示しているものはありません。ただし、省電力モードで測定された結果は除外されています。
次にiPhone 6sに「iOS10.2.1」の際のグラフです。顕著にスコア密度の山が複数みられます。2,500点を除くと4つの性能の段階があるようです。
最後にiPhone 6sに「iOS11.2.0」がインストールされている場合です。低いスコアの山は大きくなっています。
iPhone 6/6sに何が起きているのか
このデータについて、ジョン・プール氏はふたつの問題がみられると分析しています。
第一に、バッテリーによる性能悪化問題は大きくなっているようにみえる。これはバッテリーが年月を重ねて劣化しているためであり、これは時間が過ぎるにつれて悪化していく。
第二に、iOS10.2.0とiOS10.2.1の間では明らかに性能に関係する変更がiOSに加えられている。単なるバッテリーの劣化では説明できないほどのかたよりがみられる。これは、バッテリー状態が「ある状態」を過ぎると、Appleが性能を制限する変更を加えたと、信じている。
この問題の行方は?
まず、バッテリーの状態によって遅くなってしまうiPhone 6シリーズがあるのは間違いありません。しかし、Appleはこの問題についてコメントをしていないところです。したがって、iPhone 6シリーズのバッテリーを交換すると速くなる確証が得られていません。
今日もたらされた情報は、「バッテリーが劣化すると遅くなる」という現象を裏付けるものではあります。しかし、自分のiPhoneのバッテリーが劣化している内に入るのかどうか、判断が難しいところです。第一報でバッテリーを交換したユーザーには性能の変化がないユーザーもいました。
iPhoneの性能を制限するために「電圧」が関係していることは間違いありませんが、「ある状態」を過ぎたら制限する、この「ある状態」が不明です。
アメリカの各Webメディアはこの問題を大きく扱っていて、Appleにコメントを求めています。もし自分のiPhone 6シリーズが遅いと感じていても少し様子をみた方がいいでしょう。正式なコメントが出てからアクションを起こしても遅くはないはずです。