本日未明、Appleは世界開発者会議「WWDC 2018」を開催しました。その基調講演「Keynote」では期待されていた「iPhone SE2」や「MacBook Pro」の新ハードは発表されませんでした。ではこの「WWDC」では何がよかったのか、ピックアップしてお伝えします。
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新iOS12はより軽くなり、iPhone 5sから対応
iOSは毎年メジャーアップデートされ、どんどんと機能追加されていきました。iOS11では特に大きな変更、ファイルシステムの変更などが行われています。しかし、iOS11のアップデートはiOS11.3まで混乱しました。これまでの機能追加でiOSはどんどん太っていったのです。
それがiOS12では「アプリの起動が40%」速くなり、「キーボードが50%」反応が速くなり、「カメラが70%」高速になります。これはWWDCでわかったことが「よかった」。しかし逆に言うと40%も速くできるほど太っていたのです。
注目すべき点はiOS12が「iPhone 5s」から対応するということ。iOS11と変わらない対応機種です。iOS12はより太るとみられていたため、これは歓迎すべきことです。iOS12が太るので「iPhone SE2」にプロセッサがアップデートされるだろうという予測がありましたが、逆にiOS12を軽くすることで「iPhone SE」が速くなる。iPhone SE2は必要なかったのです。
「iPhone SE2」が発表されなかったことでがっかりしましたが、2013年9月、約5年前に発売された「iPhone 5s」がまだ現役で動くということは、新ハードを発表するのと同じくらいのインパクトがもたらされたとも考えられます。
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macOSとiOS12の統合はあるのか?アプリの統合は?
「iOSとmacOSは統合されるのか」これについてはっきりと「No」と発表しました。Macにはディスプレイがあり、キーボードがあり、選択できるストレージがあり、選択できるGPUがある。これはmacOSによって最大限に利用されます。
しかし、大きなプロジェクトが動いていると明らかにされました。それはmacOSでiOSアプリを動かせるようにすること。iOSアプリの操作や表示を行う「UIKit」がmadOSにも導入されました。
Appleはまず、自社アプリであるニュースやボイスレコーダーなどのアプリを、macOSでも使えるようにしました。これにともなうプログラミングの変更は「少なかった」とアピールされていました。iOSのアプリをMacで動かすために、最小限の変更で済むようになっています。
今は第1段階で、Appleのアプリに限られています。第二段階以降で全ての開発者が使えるようになります。iPhoneとiPad、Macで同じアプリが動くようになるのです。これはかなり大きなプロジェクトであるとともに、大きな可能性を秘めているでしょう。
例えば、「Djay」というDJプレイをする人気のアプリがあります。筆者はこれのMac版とiPhone版を購入しましたが、Mac版の「Djay Pro」に曲の繋ぎ方を設定すると、iPhone版の「Djay 2」でも同じ繋ぎ方が自動的に設定されます。Macと同じことがiPhoneでもできる体験は驚くべきものでした。これが1つのアプリ購入で出来るようになります。
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ARやAnimojiは正当に進化
iOS11で画期的だった「ARKit」はバージョン2にアップデートされ、1つのAR体験を複数の人間で体験することができます。Animojiも進化し、「Memoji」というアバターが用意されました。自分の顔をAnimojiにしてビデオ通話ができます。
これらの機能はこれからどうなるか、はっきり言ってわからないところです。ARを使ったゲームはそれほど登場せず、「Memoji」という顔を使ったコミュニケーションは、「LINE」や「SNOW」などを使って実現されています。
小さくて大きく改善された「通知」
iOS12では機能改善も行われています。特に注目したいのは「通知」。今のiPhoneはロック画面に通知が並びみる気が失せるほどです。これが改善され、グルーピングされます。小さな改善ですが、会場からはひときわ大きな拍手が起きました。開発者はこれを望んでいたのです。
世界開発者会議「WWDC 2018」は世界開発者会議だった
WWDCは本来、アプリ開発者などに向けた新機能の発表が行われる場です。新しいiOS、新しいmacOS、watchOS、tvOSが発表され、サプライズのような新ハードは登場しなかった。まさに開発者のための会議でした。
エンディングのビデオではアプリ開発者が、どれほど開発に情熱を注いでいるかが取り上げられ、ティム・クックは「開発者のみなさんは私たちの家族です。」と締めくくっています。開発者がいるからiPhoneがここまで進化した。そのために行われたWWDCは、ユーザーにとっても「よかった」と言えるでしょう。
参考URL:WWDCキーノート動画
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