ワシントン大学の研究所はバッテリーが不要な携帯電話の開発に成功しました。充電器もコードも必要なく、バッテリーの代わりに周囲の微弱な無線信号や光を電源として動作します。
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試作品の動作に成功
市販の基盤や部品などで作られたプロトタイプは、電池なしで基地局とつながり、Skypeを使った通話に成功しています。この技術は7月1日にモバイルやウェラブル機器の協会で論文として発表されていました。実際に動作する様子は動画でみることができます。
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動作の仕組み
プロトタイプは3.5マイクロワットで動作します。周囲の電波と米粒ほどの大きさの太陽電池から得られる電力は1〜10マイクロワットというレベルのため、電力はほとんど使えません。この3.5マイクロワットの電力を使って、声はラジオ電波に変換され、15メートル離れた基地局へラジオ電波を送信します。
基地局はそのラジオ電波をSkype通話に変換して実際に電話をかけることになります。受信はこの逆の動作。プロトタイプではボタンによって、送信と受信を切り替え、トランシーバーのような使い方がされています。
この先、研究チームでは動作範囲の拡大と会話の暗号化に焦点を当てる予定とのこと。また、バッテリーレスでビデオのストリーミングを受け、E-inkスクリーンに映像を表示するプロジェクトも進行中です。
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ウェラブルであること
将来、情報機器を身につけるウェラブルなものになった場合、今のiPhoneのように全ての機能が一枚の板に入っている必要はないかもしれません。音声は紹介したような技術を使って基地局やWi-Fi機器に送信され、機器の方で通話として変換される時代になれば、バッテリー残量に悩まされずに済むでしょう。
これからこのような開発はどんどん進んでいくものと思われます。将来のケータイがどんな姿になるのか、メールや動画はどうなるのか。時代はもうSFの世界に入っているのかもしれません。
参考URL:ワシントン大学
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