広告の世界的な流れに逆行するLINEはどうなるのか?

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広告の世界的な流れに逆行するLINEはどうなるのか?

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MobagateではLINEがプライバシーポリシーの変更と情報提供の許諾を同時に取ったことについて、やり方に問題があるのではないかと記事にしました。許諾の取り方もあまりにもずさんで、世界的な流れにも逆行しているのではないでしょうか。

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追跡型広告に対する不快感の高まり

Appleは2017年9月に大型アップデートとして、iPhoneなどに向けてiOS11をリリースしました。これにはiPhoneの標準ブラウザ「Safari」のアップデートも含まれており、大きな変更点としては追跡型広告をブロックする仕組みを導入したことです。

Safariアイコン

この追跡型広告をこころよく思っているユーザーはいないのではないでしょうか。ショッピングサイトで何をみたのか把握され、閲覧する先々で同じ商品の広告をみせつけられるのです。Appleはこれをブロックしてしまうことで、ユーザーの体験をより良いものにしようとしました。

世界でもっとも広告収入が大きな企業といえば、Googleでしょう。検索結果に広告を表示することによって莫大な収入を得ています。しかしそのGoogleが提供しているWebブラウザ「Google Chrome」にも、追跡型広告をブロックする機能がついています。

ユーザーの体験より情報の方が重要なのか

LINEはこのような世界的な流れに逆行し、ユーザーがどのようなスタンプを使ったのか、誰に無料通話をかけたのか、どのような機能を使ったのか、情報提供を求めています。しかも、ユーザーにわかりにくい方法で同意を得ようとしました。

同意画面

それは本意ではなかったかもしれませんが、同意しなくてもよいという説明もなく同意する前提でボタンが表示されている。これはわかりにくい方法で同意を得ようとしたと思われても仕方がないでしょう。実際、Twitterなどのネットでは大きな話題になっています。

あまりにもずさんなプライバシーポリシー変更

LINEの情報提供について話がここまでで終われば、まだ許せる範囲かもしれません。問題は二重に発生しています。同時に「プライバシーポリシー」を変更したのです。これは同意が必須で、同意しない限りはLINEを使うことができません。その一部を引用します。

・公式アカウント運営者等の第三者に対して利用者情報の一部を提供することがあることを記載いたしました。
(中略)
・LINEグループ会社に対してお客様情報を共同利用することがある旨記載いたしました。

これはかなり長文の中に書かれており、これを読むユーザーはほとんどいないと思われます。しかし、ユーザー情報の「第三者提供」と「共同利用」に関する重大な変更です。少なくとも、「プライバシーポリシー更新のお知らせ」というタイトルからは読み取れないでしょう。

Tポイントカードを発行しているCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が個人情報の「第三者提供」を開始する際の騒ぎを覚えている方も多いと思われます。2014年のことです。第三者提供を拒否することはできるのですが、新しい第三者が加入するごとに拒否する必要があるものでした。

これは大きな騒ぎとなり「新しい第三者」が登場するたびに報告するTwitterアカウントが作られ、その度に炎上するという経緯をたどっています。つまり、ユーザーは自分のプライバシーに関して、それだけ敏感だということ。このことがLINEの配慮から抜けていたのではないでしょうか。

信用を失うかどうかは今後にかかっている

情報提供の同意によって、LINEは広告やスタンプなどでの収入をあげようとしています。これは当然のことです。営利企業であるからには収益をあげて、基本無料のLINEサービスを続けることはもっとも重要でしょう。

しかし、個人のプライバシーを扱う企業として、2つの大きな、そして繊細なポリシーを変更する。これにあたる方法としては、ずさん過ぎたというよりありません。この問題が一層大きくなるのか、収束をみせるのか、それはLINEの信用に関わる問題です。

LINEはもはやスマートフォンに欠かせない大きなサービスになっています。そのサービスが今後も信用できるのかどうか、ユーザーの注目が集まっています。

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奥村卓也

奥村卓也

通信事業者のネットワークエンジニアとサービスクリエーションに従事した後、フリーランスの道へ。趣味はVespa Vintage 100で旅に出ること。人生はMacとiPhoneとVespaで出来ている。

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